トルコの繁華街で爆発 34人死亡 テロ事件か 2016年3月14日

2016-03-24 9

トルコの繁華街で爆発 34人死亡 テロ事件か

2016年3月14日 6時31分

テロ事件が相次いでいるトルコの首都アンカラで13日、大きな爆発が起きてこれまでに34人が死亡し、政府は、爆発物を積んだ車を使ったテロ事件とみて調べを進めています。
トルコの首都アンカラ中心部の繁華街、クズライ地区で13日の午後7時前、日本時間の14日午前2時前、大きな爆発がありました。トルコ政府によりますと、これまでに34人が死亡したほか
125人が病院に運ばれ、このうち19人が重体だということです。
これまでのところ犯行声明などは出ていませんが、トルコのアラ内相は爆発物を積んだ車を使ったテロ事件だとの見方を示したうえで「証拠は見つかっている。組織がはっきりしたら発表する」
と述べ、実行したグループをほぼ特定しているとしています。
また、ダウトオール首相は緊急の治安会議を開いて対策を協議したほか、エルドアン大統領も声明を発表し、「トルコは中東地域の情勢が不安定なためにテロの標的になっている」
と述べたうえで、テロに屈しない姿勢を強調しました。
トルコ政府はメディアに対し、政府の公式発表以外の情報や爆発現場の映像を伝えることを禁じるなど、情報の規制を強化しています。
爆発が起きた現場は、飲食店などが集まる繁華街のバス停の近くで、現場からの映像には、窓ガラスが割れた乗用車や地面に壊れた物の破片が散乱している様子などが映し出されています。
アンカラにある日本大使館によりますとこれまでのところ日本人が巻き込まれたという情報はないということです。

・トルコ大統領 クルド系組織の関与を示唆

トルコのエルドアン大統領は事件を受けて声明を発表し「トルコは中東地域の情勢が不安定なためにテロの標的になっている」とし、相次ぐテロ事件の背景は隣国シリアの内戦など中東の紛争にあるとの考えを強調しました。
そして「テロ組織やその背後にいる者たちは、トルコの治安部隊との戦いに敗れると、最も道徳に反した方法でトルコ国民を標的にしている」と述べ、名指しは避けながらも、これまで「テロとの戦い」を掲げて攻撃の対象としてきたクルド系の組織が関与した可能性を示唆しました。
そのうえでエルドアン大統領は「国民の協力を得ながら、テロとの戦いに必ず勝利する」と述べ、テロに屈しない姿勢を強調するとともに報復の攻撃を行う考えを示しました。

・ホワイトハウス報道官「トルコとテロに立ち向かう」

トルコの首都アンカラの中心部で起きたテロ事件について、アメリカ・ホワイトハウスの国家安全保障会議のプライス報道官は13日、声明を発表しました。
声明では「罪のない人たちの命を奪ったテロを強く非難する。アメリカは、NATO=北大西洋条約機構の同盟国、トルコとともに、テロに立ち向かっていく」として、トルコと足並みをそろえてテロ組織との戦いに臨む姿勢を強調しています。

・日本大使館 “日本人巻き込まれたという情報なし”

トルコの首都アンカラにある日本大使館では、爆発事件を受けて対策本部を設置し情報収集を進めていますが、これまでのところ日本人が巻き込まれたという情報はないということです。
また、トルコに暮らす日本人に向けて一斉にメールを送り、現場付近に近づかないよう注意を呼びかけたということです。

・テロが相次ぐトルコ

トルコではことしに入ってからクルド系組織や過激派組織IS=イスラミックステートなどによるテロが相次いでいます。
ことし1月には、イスタンブールの旧市街にある観光地でISによるものとみられる自爆テロ事件があり、ドイツ人10人が死亡しました。
また、その翌日には南東部のディヤルバクルにある警察本部の玄関前で車が爆発し、市民3人を含む5人が死亡し、当局はクルド系組織による爆弾テロとみて捜査しています。
このほか先月17日にも、首都アンカラの中心部で軍の兵士を乗せたバスに爆弾を積んだ車が近づいて爆発して兵士など29人が死亡し、トルコ国内のクルド系過激派組織が、爆発事件の犯行を認める声明を出しています。

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